欧米でジャバ茶(Java tea)の名で知られるクミスクチンは熱帯アジア原産のシソ科の植物でインドネシアやマレーシアでは古くから「腎臓のお茶」として知られています。クミスクチンという名前はマレー語で「ネコのヒゲ」を意味しますが、これは花部の長く突き出た雌しべがネコのヒゲに似ているところからつけられたものです。
■ハーブティーに
急須の場合、急須にティーパック1袋を入れ熱湯をそそいでフタをし、しばらくお待ちください。急須を 軽く振って湯のみにそそいでください。
●夏はクールで、冬はホットで、また、お好みによりハチミツやレモンなどをおともに楽しめます。
アヤメ科のサフランは欧米で古くから香味料として、またメディカルハーブとして用いられ、紀元前1700年にクレタ島のクノッリス宮殿に残されたフレスコ壁画にはサフランを摘み取る人の絵が残されています。現在ではスペイン、イタリアなどで栽培され、パエリヤやブイヤベースに不可欠のスパイスハーブとして知られますが、中東諸国ではハーブティーとして服用されます。乾燥したサフラン1kgを得るには柱頭50万本(花にして16万本)が必要で、収穫後その日のうちに柱頭を摘み取り陰干しにして乾燥させます。
■お料理に
調味料や色づけとして、ブイヤベースやパエリアに利用されます。
■その他
サフランの浸出液で布をサフラン色(明るい黄色)に染める事ができます。
クミンの独得の芳香は、原産地エジプトはもとより、今日では、ヨーロッパ、北アフリカ、アジア、メキシコなど世界各地で、最も一般 的なスパイスの一つになっています。カレー粉には欠かすことのできない原料の一つであるばかりでなく、チリーパウダーやチャツネなどにも用いられています。 ナイル河の渓谷に生育していたクミンは、古代エジプト時代に、ミイラ化して保存するのに、当初はアニスとともに防腐剤として使用されていました。
クミンは、エジプトや西アジアでは古くから栽培されていたため、この地方の人々はクミンを料理に使用していました。アラビアンナイト物語の中に、クミンの強い香りで調理したシチューを出された若者が、その美味しさのあまり腹いっぱいに食べ、その後つい手を洗うのを忘れてしまったため、手足の親指を切り落とされるという逸話が物語られています。千夜一夜物語の第27夜、コック長の話の項です。
■お料理に
・カレー粉の原料として欠かせません。
・北アフリカの“クースクース”
・北欧の“クミン入りチーズ”
・ドイツの“キュンメル酒”
・メキシコ料理の“チリー・コーン・カーン
シソの葉は蘇葉といって、漢方生薬のひとつです。シソ(蘇葉)の名は葉が紫色で、香気がさわやかで食欲がすすみ、人を蘇らせることからつけられました
■お料理に
料理のアクセントや、薬味などに。
■お茶で
・葉っぱを細かく粉上にしてさじ1杯で15秒ほど沸かします。
・新鮮なシソを葉っぱごとこれでもかというくらいに小さく切り刻み袋に煮出しおくとよりおいしいシソ茶が 出来上がります。
(シソと一緒にショウガやみかんの皮を混ぜるとシソが持つ効果をより高めるそうです。)
・お好みではちみつを入れても。
蕾を乾燥させて作られるクローブのスパイスは、16世紀以来、胡椒と並んで、重要な貿易品として地位を占めてきました。インドカレーにおいては、シナモン、カルダモンと並んで欠かせないスパイス」の1つです。 また クローブは、古くから伝統的に歯痛の治療薬として用いられており、中国では、クローブの蕾を噛んで、歯の痛みを和らげるのに使っていました。現代でも、歯磨きの原料として使われており、市販されているチューブ入り歯磨の中には、クローブの香りを感じるものがたくさんあります。また、強い殺菌作用があることから、伝染病の治療にも使われてきました。
■お料理に
煮込みやオーブン料理で肉・たまねぎなどに刺して香りを加えます。
ひき肉料理には粉末を使います。甘くさわやかな香りが特徴です。
さわやかなレモンの香りを放ち、ハーブティーの女王の名にふさわしい多くの人に好まれるハーブですが、華やかな神話や伝説のたぐいがほとんどないのが、とても不思議なくらいです。南米原産で、チリ、ペルー、アルゼンチンなど、アンデス山脈の土着の植物で、現地でもスパイスや香油として、よく使われています。そして、1784年にスペイン人によって、ヨーロッパに持ち込まれました。
ヨーロッパでは、もともとディナーのときのフィンガーボールの水(指先をすすぐ水)に、レモンの香りをつけるために利用されていました。レモンバーベナは、フランス語で「ヴェルベーヌ」と呼ばれ、フランス人が好んで飲むハーブティーとして有名です。
■ハーブティーに
ミント類と相性がよく、ホットでもアイスでもおいしく飲める
ブレンドティーとして親しまれています。
■お料理に
ケーキや飲み物に香りを付けたりします。
■体に
浴湯料、香粧料にも利用できます。
クスノキ科Lauraceaeのゲッケイジュ(ラウルス)属Laurusは、南ヨーロッパ、カナリア諸島に分布する常緑低木、高木で、ゲッケイジュ(月桂樹)は、地中海地方原産で雌雄異株の常緑高木です。ローレル、ローリエ、ベイリーフ、スイート・ベイ、ベイなど様々な呼び名がありますが、木そのものがゲッケイジュでハーブとしてのゲッケイジュの葉をローリエ、ベイとして使う事が多いですね。ローレルはあまり区別されていないようです。ちなみにローリエはフランス語、ローレルはスペイン語および英語、ベイは英語です。葉は、やや灰色がかった緑色をしており、レモンやクローブに似た甘い香り特徴で、古くから香辛料等に用いられています。
古代ギリシア・ローマ時代から、宗教儀式に用いたり、英雄や勝者、芸術家などに英知と栄光の象徴として与えられていました。現在でもマラソン競技などに受け継がれていますね。学名のLaurusはラテン語の「誉めたたえる」の意味をもつLaudisから来ています。
又、ヨーロッパでは古くから魔よけなど凶事に対するお守りの木とされ、ペストなどの疫病が蔓延した時代には街角で燃やされたり、稲妻を避けるものと信じられ、宮殿や広場などに植樹されていました。
■利用法・・
優れた防虫効果もあり、米などの穀物や小麦粉などの容器に入れてお
くと虫が寄りつきません。
空に向かって堂々と枝を広げる高い木で、ドイツの人々はこの木陰で憩い、読書にふけり、愛の語らいをしてきました。シューベルトの歌曲集「冬の旅」にも歌われているように、各地をさすらう人々にとって、この樹の下は過酷な現実から目をそらす事ができた場所でした。
フランスでは夕食後のお茶として親しまれていますが、それとは別に、落ち着きのない子供にリンデンのハーブティーを飲ませる習慣もあるそうです。
また、魔女が愛の媚薬を作る際に使ったそうで、「愛の守り神」などとも言われます。いずれにしても、家庭円満に役立ちそうなハーブティーです。
■ハーブティーに
神経の疲労回復
リンデンウッド1/3杯+オレンジブロッサム1/3杯+ペパーミント1/3杯
消化促進、食後のお茶に
リンデンウッド1/3杯+ペパーミント1/2杯+ローズレッド1/2杯
ダイエットに最適
リンデンウッド1/3杯+ペパーミント1/3杯+レモングラス1/3杯+ローズマリー1/3杯
レモンバームはシソ科の多年草で、葉はレモンに似た甘く爽やかな香りがします。
ミツバチが集まりやすいことから、ヨーロッパでは紀元前の頃から養蜂用に栽培されています。
レモンバームは、ミツバチの葉という意味のメリッサ、またはコウスイハッカ、西洋ヤマハッカなどの別名でも呼ばれています。
■ハーブティーに(ぶれんどてぃー)
≪リラックスレシピ≫
レモンバーム 1/2杯+リンデン 1/2杯
≪不安な気持ちをしずめるレシピ≫
レモンバーム 1杯+ラベンダー 1/3杯
ヤロウは、ギザギザと切れ込みの人った葉が特徴で、片から「兵士の傷薬」と呼ばれ、生の葉は傷の治療薬として知られています。
学名のアキレアは、古代ギリシャの英雄アキレスが、トロイの戦いで負傷した兵士たちの手当てに、この葉を用いたことが由来になっているとか。
スエーデンでは「フィールドホップ」と呼ばれビールの醸造に古くから使用されてきた歴史があります。
■ハーブティーに
体が冷えるとき
汗をかきたいとき
ヤロウの入れ方 →ティスプーン1杯に,熱湯を注ぎ,3分待ちましょう.
■ヤロウ特記事項
多量に使用すると頭痛やめまいを起こすことがるので、一回の使用量を少なくしてください。
妊娠中は使用を避けてください。
また、キク科アレルギーの人は摂取を避けてください。
鮮やかなオレンジ色の花を一年中咲かせて、目を楽しませてくれるハーブ。別名キンセンカと呼ばれています。ヨーロッパでは古くから、マリーゴールドに含まれる黄色の色素をチーズの色付けに利用してきました。また、シェイクスピアの『冬物語』に、「日没とともに床につき、朝日とともに泣きながら起き上がるマリーゴールド」のせりふがあります。ギリシャの伝説では、太陽を恋い焦がれ、見つめ続けて息絶えた娘がいたとか。その娘の倒れた後には、太陽に似た花が一輪咲いていたといい、その花がマリーゴールドです。娘の悲しい思いがこもったこの花は、女性を美しくしてくれる力を持つやさしい花でもあります。
■お料理に
新鮮な花びらには、刺激性の軽い苦みがあり、ほぐしてサラダやスープに飾るとおいしいアクセントになります。
■ハーブティーに
お茶として飲んだ場合、ちょっと苦味があり飲みにくいハーブのひとつでしょう。カモミールなどとブレンドすると飲みやすくなります。
おすすめは→ジャーマンカモマイユ・ラベンダー