紀元前1550年頃のエジプトのパピルス文書に、薬としての処方がいくつか書き残されているぐらい古くから利用されてきました。中世ヨーロッパでの民間療法では、チフス、コレラ、赤痢などの伝染病や条虫を下すなど、諸々の病に効く万能薬として重宝されたようです。
ジュニパーは聖母マリアとキリストがエジプトに逃げたとき、その腕を開いて隠れ場所を提供した木の1つであったため、ジュニパーは追跡されている弱者の隠れ場所というふうに思われ、野ウサギも猟犬に追われた時、ジュニパーの木の陰に逃げ込むのは、ジュニパーの香りが犬の嗅覚を迷わせ、見つけられなくなることを本能的に知っているのではと言われています。
■ハーブティーに
(他のハーブティーとブレンドして)
ジュニパーベリーは、スプーンの背などで、軽くつぶしてから、ブレンドしてください。
そして、通常より長めに時間をおいてからお飲み下さい。
■お料理に
・ジンやリキュール酒の香りづけに使われるのは有名です。
・すりつぶした実は樹脂のような香りがあるので、パテやマリネなどによく使われます。
・肉の保存や臭み消しとしても良く利用され、かつてヨーロッパでは、コショウの代わりに使われていま した。
ヨーロッパを原産地とする野生植物で古代より食用、薬用に利用されてきました。日本ではマリアアザミと呼ばれています。
別名「オオアザミ」とも呼ばれるキク科の植物のことで、ミルクシスルは南ヨーロッパや北アフリカ、アジアなど、世界各地で広く生育しています。ヨーロッパでは肝臓によいメディカルハーブとして2000年以上も前から用いられています。
■ハーブティーに
種子を砕いてその粉末に熱湯を注ぎ、10~15分程度置いてから飲みます。
飲むのは1日3~4回程度で、より高い効果を得るためには、食前に飲むのがオススメです。
■お手軽に
市販されているサプリメントなら、もっと手軽に取ることができます。
甘く魅力的な香りと美しさをもち「花の女王」と言われ私たちの生活でも身近な存在のローズは、世界中に2万種を超える品種があるといわれます。
古代ローマの人々にとっては「喜びの花」で宴会で卓上に飾るのはもちろん結婚式にはバラでティアラを作ったり、勝利者が行進する通りに花びらをまいたといわれています。また、かの有名なクレオパトラは永遠の美と若さを保つため、毎日バラの花びらを、浴槽いっぱいに浮かべて入浴したそうです。
ローズの香りを小道具に使っていた、歴史に残る美女たちの“美と若さ”のヒケツはバラだったのではないかと思います。
■ハーブティーに
ホルモンのバランスを整えるとされ、老化や衰えはじめた肌、敏感肌、しみなどに効果があリます。
■お料理に
最近の話題の、ローズを使って作るジャムは、ハーブティーに入れて一緒に飲むと、そのさわやかな香 りで心もリラックスできます。
チコリはヨーロッパ原産のとても美しい澄んだ青色の花で、よく清らかな少女の瞳にたとえられます。
伝説も少女にまつわるお話が多く、ドイツではこの花の透き通るような清らかな青さは、一人の少女の涙からできたとされ、いつまで待っても帰ってこない恋人を想い、待ちわびた少女が道端で流した涙がチコリに姿を変えたそうです。
また、ニコチンを緩和するのにも役立つので、愛煙家の皆さんはコーヒー代わりに愛飲されるのはいかがでしょうか。
■ハーブティーに
チコリのハーブティーは個性の強いので、ストレートで。
コーヒーのようにミルクを入れて飲んでも。妊婦さんや授乳中の方も、ノンカフェインなので安心して飲め ます。
■お料理に
・サラダにして
・花びらをサラダに散らしたり、かすかな苦味のある葉を松の実と混ぜサラダのトッピングに用いるのも 。
・株に土をかぶせて保温するとできる白い葉球(軟白野菜)は、フランス料理やイタリア料理のオードブ ルなどでおなじみのチコリです。
クミンの独得の芳香は、原産地エジプトはもとより、今日では、ヨーロッパ、北アフリカ、アジア、メキシコなど世界各地で、最も一般 的なスパイスの一つになっています。カレー粉には欠かすことのできない原料の一つであるばかりでなく、チリーパウダーやチャツネなどにも用いられています。 ナイル河の渓谷に生育していたクミンは、古代エジプト時代に、ミイラ化して保存するのに、当初はアニスとともに防腐剤として使用されていました。
クミンは、エジプトや西アジアでは古くから栽培されていたため、この地方の人々はクミンを料理に使用していました。アラビアンナイト物語の中に、クミンの強い香りで調理したシチューを出された若者が、その美味しさのあまり腹いっぱいに食べ、その後つい手を洗うのを忘れてしまったため、手足の親指を切り落とされるという逸話が物語られています。千夜一夜物語の第27夜、コック長の話の項です。
■お料理に
・カレー粉の原料として欠かせません。
・北アフリカの“クースクース”
・北欧の“クミン入りチーズ”
・ドイツの“キュンメル酒”
・メキシコ料理の“チリー・コーン・カーン
南アフリカのセダルバーグ山脈の高原に自生する低木の針葉樹の一種です。小さな黄色い花が咲きます。「ルイボス」という名は、お茶をつくるときの発酵過程で 葉や新芽にだんだんと現れてくる赤い色に由来します。小さな黄色い花が咲きます。ルイボスの効能は南アフリカのみならず、ドイツ・オランダ・イギリス・ アメリカ・日本などで研究され、その効能が検証されています。従来南アフリカの先住民の間では、「不老長寿のお茶」として今日まで愛飲されています。
■ハーブティーに
■体に
・化粧水に
・入浴剤として
・洗顔の際に(くすみに効果があります。)
クスノキ科Lauraceaeのゲッケイジュ(ラウルス)属Laurusは、南ヨーロッパ、カナリア諸島に分布する常緑低木、高木で、ゲッケイジュ(月桂樹)は、地中海地方原産で雌雄異株の常緑高木です。ローレル、ローリエ、ベイリーフ、スイート・ベイ、ベイなど様々な呼び名がありますが、木そのものがゲッケイジュでハーブとしてのゲッケイジュの葉をローリエ、ベイとして使う事が多いですね。ローレルはあまり区別されていないようです。ちなみにローリエはフランス語、ローレルはスペイン語および英語、ベイは英語です。葉は、やや灰色がかった緑色をしており、レモンやクローブに似た甘い香り特徴で、古くから香辛料等に用いられています。
古代ギリシア・ローマ時代から、宗教儀式に用いたり、英雄や勝者、芸術家などに英知と栄光の象徴として与えられていました。現在でもマラソン競技などに受け継がれていますね。学名のLaurusはラテン語の「誉めたたえる」の意味をもつLaudisから来ています。
又、ヨーロッパでは古くから魔よけなど凶事に対するお守りの木とされ、ペストなどの疫病が蔓延した時代には街角で燃やされたり、稲妻を避けるものと信じられ、宮殿や広場などに植樹されていました。
■利用法・・
優れた防虫効果もあり、米などの穀物や小麦粉などの容器に入れてお
くと虫が寄りつきません。
ウコンはショウガ科の多年草で、日本では500年位前に沖縄に伝えられ、鹿児島、奄美大島などに生息します。薬として用いられるのは根茎で、大昔の時代には「卑弥呼の秘薬」とも呼ばれ、特に肝臓病、糖尿病、高血圧、心臓病に効果が期待されるとされてきました。日本では平安時代から木綿の染料として利用されてきました。食品の着色料にも使われています。
ヨーロッパでは、肉類の防腐剤、防虫剤として利用されています。
ウコンの黄色色素は苦味のあるクルクミンと呼ばれる物質で、肝臓の機能を回復するのに有効であると言われています。
■お茶で
鮮やかなオレンジ色の花を一年中咲かせて、目を楽しませてくれるハーブ。別名キンセンカと呼ばれています。ヨーロッパでは古くから、マリーゴールドに含まれる黄色の色素をチーズの色付けに利用してきました。また、シェイクスピアの『冬物語』に、「日没とともに床につき、朝日とともに泣きながら起き上がるマリーゴールド」のせりふがあります。ギリシャの伝説では、太陽を恋い焦がれ、見つめ続けて息絶えた娘がいたとか。その娘の倒れた後には、太陽に似た花が一輪咲いていたといい、その花がマリーゴールドです。娘の悲しい思いがこもったこの花は、女性を美しくしてくれる力を持つやさしい花でもあります。
■お料理に
新鮮な花びらには、刺激性の軽い苦みがあり、ほぐしてサラダやスープに飾るとおいしいアクセントになります。
■ハーブティーに
お茶として飲んだ場合、ちょっと苦味があり飲みにくいハーブのひとつでしょう。カモミールなどとブレンドすると飲みやすくなります。
おすすめは→ジャーマンカモマイユ・ラベンダー
Cynaraはギリシア語kyon(犬の意)に由来します。
これは総苞の棘が犬の歯に似ているためといわれます。
古くギリシア、ローマ時代から野菜として栽培されてきた歴史があり、これは近縁のカルドンから生まれたものと考えられています。
日本では江戸時代中期に栽培されましたが、普及しなかったといわれます。
■ハーブティーに
ティーポットなどはあらかじめ温めておきます。ポットにカップ1杯につきティースプーン約2杯のハーブを入れ、作る杯数分の沸騰したてのお湯 (100℃) を注ぎます。(ブレンドをする場合は、混ぜ合わせた量で1杯分ティースプーン約2杯です)
2. すぐに蓋をし、約3~5分蒸らします。
3. 茶漉しのないポットの場合は、茶漉しで濾しながらカップに注ぎ出来上がりです。香りを吸い込むようにお飲み下さい。